このページでは金子みすゞさんの

本日の詩をご紹介しています。

 

「きょうのみすゞさんの詩は・・・」

 

「海の色」です。

  

 朝はぎんぎら銀の海、

 

銀はみんなを黒くする。

 

ランチの色も、帆の色も、

 

銀の破(や)れめもみな黒い。

 

晝はゆらゆら青い海、

 

青はみんなをあるままに。

 

うかぶ藁くづ、竹のきれ、

 

バナナの皮も、あるままに。

 

夜はしづかな黒い海、

 

黒はみんなをおひかくす。

 

船はゐるやら、ゐないやら、

 

赤い灯(ともし)のかげばかり。

 

 

(海の色:金子みすゞ)

 

『金子みすゞ全集』

(JULA出版局)より

 

 

強い朝日を受けて銀色に輝く波、

 

そのあまりの光りの強さに

 

その他の部分が黒くなってしまう

 

という超ハイコントラストの

 

世界が生まれます。

 

海を一日中ながめていたら、

 

そのようにいろいろな

 

シチュエーションが

 

見られるのだと思います。

 

鈴木 澪