このページでは金子みすゞさんの

本日の詩をご紹介しています。

 

「きょうのみすゞさんの詩は・・・」

 

「夕顔」です。

 

お空の星が

 

夕顔に、

 

さびしかないの、と

 

ききました。

 

お乳のいろの

 

夕顔は、

 

さびしかないわ、と

 

いひました。

 

お空の星は

 

それつきり、

 

すましてキラキラ

 

ひかります。

 

さびしくなつた

 

夕顔は、

 

だんだん下を

 

むきました。

 

  

(夕顔:金子みすゞ)

 

『金子みすゞ全集』

(JULA出版局)より

                    

 

負けずぎらいの夕顔も、

 

お空のお星様のあまりにきれいな光を見ていると、

 

自分がみじめな気持ちになったのでしょう。

 

天体はあまりにスケールが大きくて

 

思わず小さな事にクヨクヨしている自分が

 

恥ずかしくなるってことよくありますネ。

 

鈴木 澪

 

 

ちょっとさびしいとき、

 

ズバリさびしかないの?といわれ、

 

すなおに「そう」と言えなくて、

 

ちょっと強がりをみせること、

 

みんなありましたよね。

 

もう一回声をかけてくれないかと期待して、

 

倍もさみしくなるのです。 

  

大西 進