今日もみすゞさんのページに
来ていただきありがとうございました。
猫の手舎では一年365日、
毎日みすゞさんの詩と鈴木澪のイラストを
紹介させていただいています。
「きょうのみすゞさんの詩は・・・」
「にはとり」です。
お年をとつた、にはとりは
荒れた畑に立つて居る
わかれたひよこは、どうしたか
畑に立つて、思つてる
草のしげつた、畑には
葱の坊主が三四本
よごれて、白いにはとりは
荒れた畑に立つてゐる
(にはとり:金子みすゞ)
『金子みすゞ全集』
(JULA出版局)より
みすゞさんは、にわとりにさえ「お」をつけて、
ていねいにお年よりを敬う姿勢を見せています。
にわとりも人間も同じ生き物、年老いた者にたいし、
その悲哀を感じるのは同じ生き物として、
当然といえば当然であると思います。
こうした弱い者に対する思いやりは、
みすゞさんの一貫した姿勢である
と言えます。
「にはとり」、この詩は心悲しい風景である。
荒れた畑に立つにわとりの母親。
子を案ずる様子がまわりの状況の描写でいっそう、
にわとりの心の有様を表現していると思うのです。
みすゞさんの短い詩の言葉一つひとつが、
どれを取り除いてもその効力を失うという、
強いものを感じる。
計算されているとも、天性のものとも言える。
おそらくみすゞさんにとって、
自然にほとばしり出てくるものに違いないと感じます。
鈴木 澪
みすヾさんは世の中で役に立たないと思われている
弱いものに特別にやさしいまなざしをむけます。
もうご用がすんだからと脇にひっそりといる、
とし老いたにわとりを思っています。
その舞台は「荒れたはたけ」というように、
さらにさらにさびしさを重ねます。
大西 進
※大西 進先生は、みすゞさんの詩のすべてに作曲された音楽家です。
私、鈴木 澪は先生にみすゞさんの歌を歌うコーラス部に参加し、大西先生に指導をうけました。
そして、先生の影響でみすゞさんの詩にイラストを描くことを始めました。
みすゞさんの詩画集も作っています。
金子みすゞ詩画集(鈴木澪イラスト)
おのおの16点の詩とイラストを掲載しています。
また明日もぜひ遊びに来てくださいね!
お待ちしています。猫の手舎