今日もみすゞさんのページに

来ていただきありがとうございました。

猫の手舎では一年365日、

毎日みすゞさんの詩と鈴木澪のイラストを

紹介させていただいています。

 

 

「きょうのみすゞさんの詩は・・・」

 

「忘れもの」です。

  

田舎の驛の待合室に、

 

しづかに夜は更けました。

 

いつのお汽車を待つのやら。

 

ふるい人形は、ただひとり。

 

しまひの汽車におどろいた、

 

蟲もひそひそ鳴くころに、

 

箒をもつたおぢいさん、

 

ぢつとみつめてをりました。

 

ふるい人形のかあさんは、

 

いく山さきを行くのやら。

 

とほく、こだまがひびきます。

 

田舎の驛は夜更けて、

 

しづかに蟲が、ないてます。

 

(忘れもの:金子みすゞ)

 

『金子みすゞ全集』

(JULA出版局)より

 

 

古い人形が忘れ去られて、駅のベンチにいました。

 

ほんとうに忘れてゆかれたのでしょうか?

 

それとも、捨てられたものなのでしょうか?

 

鈴木 澪

 

 

駅員さんが終列車のあとの後片付け、

 

人形をみつけて話しかけもせず、

 

時が止まった一瞬の風景、絵になりますね。

 

大西 進 

  


※大西 進先生は、みすゞさんの詩のすべてに作曲された音楽家です。

私、鈴木 澪は先生にみすゞさんの歌を歌うコーラス部に参加し、大西先生に指導をうけました。

そして、先生の影響でみすゞさんの詩にイラストを描くことを始めました。

 

みすゞさんの詩画集も作っています。

金子みすゞ詩画集(鈴木澪イラスト)

 おのおの16点の詩とイラストを掲載しています。

 第1集「みんなちがってみんないい」

 第2集「見えぬものでもあるんだよ」

 第3集「みんなを好きに」

 

また明日もぜひ遊びに来てくださいね!

お待ちしています。猫の手舎