このページでは金子みすゞさんの

本日の詩をご紹介しています。

 

「きょうのみすゞさんの詩は・・・」

 

「見えないもの」です。

 

ねんねした間になにがある。

 

うすももいろの花びらが、

 

お床の上に降り積り、

 

お目々さませば、ふと消える。

 

誰もみたものないけれど、

 

誰がうそだといひませう。

 

まばたきするまに何がある。

 

白い天馬が翅のべて、

 

白羽の矢よりもまだ早く、

 

青いお空をすぎてゆく。

 

誰もみたものないけれど、

 

誰がうそだといへませう。

 

 

(見えないもの:金子みすゞ)

 

『金子みすゞ全集』

(JULA出版局)より

 

 

夢で見たものは非現実でありえない事が

 

あるものですが、

 

みすゞさんはその事にも

 

実際にはないけれど、でもうそだ

 

とも言うことは出来ない

 

とうたっています。

 

夢見ることの多かった少女時代を

 

過ごしたであろうみすヾさんの

 

哲学でもあるのでしょうから。

 

私も毎日夢を見ます。

 

それも突拍子もない事が多いのですが、

 

楽しみに眠りに就きます。

 

みすゞさんの詩の様なロマンチックな

 

ものとはほど遠いものが多いのですが、

 

目が覚めてしばらく夢か現実か

 

分からない自分がいます。

 

みすゞさんは白い天馬が空を飛んだり、

 

なんてロマンチストなんでしょう。

 

目に見えないもののひとつに

 

「愛」があります。

 

人間はそれなしには生きて行けない。

 

いいえ人間だけではないはず。

 

争いのない愛ある世界が来る日は

 

いつでしょうか?

 

私達はそんな世になる様

 

力を尽くしたいものです。

 

鈴木 澪

 

 

見えなくてもあるもの。

 

心の中に見えたもの、

 

感じたものがあるのですね。

 

でもそれを追い求めようとすると、

 

すーっと遠くへいってしまう。

 

よくあることです。

 

大西 進