このページでは金子みすゞさんの

本日の詩をご紹介しています。

 

「きょうのみすゞさんの詩は・・・」

 

「芝居小屋」です。

 

芝居はきのふ

 

終へました。

 

のぼりのたつてた

 

あたりでは、

 

仔牛が草を

 

たべてゐる。

 

むしろで拵へた

 

芝居小屋、

 

夕日は海へ

 

沈みます。

 

むしろの小屋の

 

屋根の上、

 

かもめが赤く

 

そまつてる。

 

 

(芝居小屋:金子みすゞ)

 

『金子みすゞ全集』

(JULA出版局)より

 

 

芝居小屋がむしろでこさえられている、

 

というのが当時の文化を表しています。

 

そして、さびしさもひとしおに感じます。

 

みすゞさんも芝居を見たのでしょうか?

 

私はかつて子供時代に、

 

地方で暮らしていたときですが、

 

やはり空き地などに

 

「見せ物小屋」などがきて、

 

大いに興味をそそられ小銭を持って

 

見に行ったことを思い出します、

鈴木 澪

 

 

みすゞさんの詩で

 

古い日本漢字にたくさん出会います。

 

「むしろでこさえた」の「こさえ」は

 

「てへん」に「存」です。

 

ままごとあそびやゴッコあそびに

 

芝居ゴッコもやったのですね。

 

移動芝居はなにを上演して

 

いたのでしょうか。

  

大西 進