このページでは金子みすゞさんの

本日の詩をご紹介しています。

 

「きょうのみすゞさんの詩は・・・」

 

「夜」です。

 

 

夜は、お山や森の木や、

 

巣にゐる鳥や、草の葉や、

 

赤いかはいい花にまで、

 

黒いおねまき着せるけど、

 

私にだけは、できないの。

 

私のおねまき白いのよ、

 

そして母さんが着せるのよ。

 

 

(夜:金子みすゞ)

 

『金子みすゞ全集』

(JULA出版局)より

 

 

自然(夜)対みすゞさんの対比が

 

くっきりと表現されている詩です。

 

みすゞさんは、心にいつもお母さんがいて、

 

そしていつも守ってくれているのだ、

 

と感じていたのだと思います。

 

鈴木 澪

 

 

お母さんの愛情をいっぱい欲しかったのに、

 

お母さんの心は空にしかない、

 

と時々思い出すように、

 

みすゞさんは母の愛を求めたと思います。

 

夜、黒というテーマと色と、

 

白と母という二つの対象が

 

強く胸にせまります。

 

大西 進