このページでは金子みすゞさんの

本日の詩をご紹介しています。

 

「きょうのみすゞさんの詩は・・・」

 

「風」です。

  

空の山羊追ひ

 

眼にみえぬ。

 

山羊は追はれて

 

ゆふぐれの、

 

曠野のはてを

 

群れてゆく。

 

空の山羊追ひ

 

眼にみえぬ。

 

山羊が夕日に

 

染まるころ、

 

とほくで笛を

 

ならしてる。

 

(風:金子みすゞ)

 

『金子みすゞ全集』

(JULA出版局)より

 

風は本当は眼に見えません。

 

でも、耳をすますと

 

かすかに音が聞こえます。

 

みすゞさんには笛のように聞こえたのですね。

 

表現がいつも新鮮でおどろきます。

 

鈴木 澪

 

 

クリスチナ・ロゼッティのようだ

 

と西条八十にほめられた。

 

そのロゼッティの詩に似ている

 

「だれが かぜを みたでしょう」

 

ロゼッティに対し、

 

雲の流れを風をひつじかい(やぎ)の

 

少年にみたてている。

 

すごく感動して作曲したことを思い出します。

 

大西 進