このページでは金子みすゞさんの

本日の詩をご紹介しています。

 

「きょうのみすゞさんの詩は・・・」

 

「爪」です。

 

 親指の爪は

 

平たいお顔。

 

丈夫さうなお顔。

 

  わたしらの先生。

 

人差指の爪は

 

ゆがんだお顔。

 

泣きそなお顔。

 

  いつかの曲馬の子。

 

中指の爪は

 

まあるいお顔。

 

笑つてるお顔。

 

  まへゐたねえや。

 

紅さし指の爪は

 

四角なお顔。

 

考へてるお顔。

 

  あの、旅の小父さん。

 

小指の爪は

 

ほそくて、きれい。

 

  知つてるやうで

 

  誰だか知らぬ。

 

 

(爪:金子みすゞ)

 

『金子みすゞ全集』

(JULA出版局)より

 

 

この詩を読んでみすゞさんの爪がしのばれます。

 

手の指の爪を顔に例えるあたりは、

 

なるほどなと感心してしまいます。

 

よく見ると本当に一本いっぽんに特徴があって、

 

誰かさんの顔が思い浮かびます。

 

鈴木 澪

 

 

幼児とうたううたの一つ。

 

みすゞコールの持ち歌のひとつ。

 

ペープサートがかわいい。

 

指人形もたのしい。

 

大西 進