このページでは金子みすゞさんの

本日の詩をご紹介しています。

 

「きょうのみすゞさんの詩は・・・」

 

「花屋の爺さん」です。

 

花屋の爺さん

 

花賣りに、

 

お花は町でみな賣れた。

 

花屋の爺さん

 

さびしいな、

 

育てたお花がみな賣れた。

 

花屋の爺さん

 

日が暮れりや、

 

ぽつつり一人で小舍のなか。

 

花屋の爺さん

 

夢にみる、

 

賣つたお花のしやはせを。

 

 

(花屋の爺さん:金子みすゞ)

 

『金子みすゞ全集』

(JULA出版局)より

 

 

とかく他人よりも自分の幸せだけを願うのが

 

人の世の常です。

 

でも、親となると違います。

 

親は最後の最後まで子どもの幸せを願うもの。

 

花屋の爺さんにとって

 

花たちは自分の子どもなのですね。

 

鈴木 澪