このページでは金子みすゞさんの

本日の詩をご紹介しています。

 

「きょうのみすゞさんの詩は・・・」

 

「お魚の春」です。

 わかいもづくの芽がもえて、

 

水もみどりになつてきた。

 

空のお國も春だろな、

 

のぞきに行つたらまぶしいよ。

 

飛び魚小父さん、その空を、

 

きらつとひかつて飛んでたよ。

 

わかい芽が出た藻のかげで、

 

ぼくらも鬼ごとはじめよよ。

 

 

(お魚の春:金子みすゞ)

 

『金子みすゞ全集』

(JULA出版局)より

 

 

春は本当にすばらしい。

 

海の中までも変えてくれる。

 

飛び魚が春の空を飛ぶ様子、

 

きらっとひかって……

 

というのがとても味わい深い

 

のではないでしょうか。

 

若い藻の芽の間をうれしそうに

 

泳ぐ小さな魚の子ども達の

 

うれしそうな情景が目に浮かびます。

 

鈴木 澪

 

 

冬の海から春の海。海草も春です。

 

飛び魚が海面を鳥のように飛ぶのも春。

 

春告げ魚です。

 

この頃、くじらも昔々来たのです。

 

魚もうれしそう。

 

大西 進