このページでは金子みすゞさんの

本日の詩をご紹介しています。

 

「きょうのみすゞさんの詩は・・・」

 

「さくらの木」です。

 もしも、母さんが叱らなきや、

 

咲いたさくらのあの枝へ、

 

ちよいとのぼつてみたいのよ。

 

一番目の枝までのぼつたら、

 

町がかすみのなかにみえ、

 

お伽のくにのやうでせう。

 

三番目の枝に腰かけて、

 

お花のなかにつつまれりや、

 

私がお花の姫さまで、

 

ふしぎな灰でもふりまいて、

 

咲かせたやうな、氣がしませう。

 

もしも誰かがみつけなきや、

 

ちよいとのぼつてみたいのよ。

 

 

(さくらの木:金子みすゞ)

 

『金子みすゞ全集』

(JULA出版局)より

 

 

花咲か爺さんの心境をうたうと

 

こんな感じかなあと思います。

 

さくらの木って不思議な程、

 

各々に様々な思いを起こさせてくれます。

 

鈴木 澪