このページでは金子みすゞさんの
本日の詩をご紹介しています。
「きょうのみすゞさんの詩は・・・」
「ねんねの汽車」です。
ねんねん寝る子は汽車に乘る、
ねんねの駅を汽車は出る。
汽車の通るは夢のくに、
なんきん玉の地の上の、
赤い線路をひた走り。
月は明るし、雲は紅、
硝子の塔のてつぺんに、
ちらりと白い星も出る。
みんなお窓に見て過ぎて、
おめざの駅へ汽車は着く。
お夢のくにのお土産は、
誰も持つては歸れない。
お夢のくにへゆくみちは、
ねんねの汽車が知るばかり。
(ねんねの汽車:金子みすゞ)
『金子みすゞ全集』
(JULA出版局)より
こんな夢心地の美しい話はどうやったら
浮かぶやら、色的にも幻想的です。
鈴木 澪
夢の国の美しさはみる人の
心の美しさですね。
その人しか見えない世界。
言葉では表せませんね。
月は明るし、雲は紅、そして白い星。
ここが好きです。
大西 進