このページでは金子みすゞさんの

本日の詩をご紹介しています。

 

「きょうのみすゞさんの詩は・・・」

 

「仲なほり」です。

  

げんげのあぜみち、春がすみ、

 

むかうにあの子が立つてゐた。

 

あの子はげんげを持つてゐた、

 

私も、げんげを摘んでゐた。

 

あの子が笑ふ、と、氣がつけば、

 

私も知らずに笑つてた。

 

げんげのあぜみち、春がすみ、

 

ピイチク雲雀が啼いてゐた。

 

 

(仲なほり:金子みすゞ)

 

『金子みすゞ全集』

(JULA出版局)より

 

 

げんげの花が二人の仲を直したんですね。

 

あと味の悪いけんか、でも子供は

 

大人と違ってこんな風に元通り。

 

鈴木 澪