このページでは金子みすゞさんの
本日の詩をご紹介しています。
「きょうのみすゞさんの詩は・・・」
「お家のないお魚」です。
小鳥は枝に巣をかける、
兎は山の穴に棲む。
牛は牛小舍、蒿の床、
蝸牛(でゝむし)やいつでも背負つてゐる。
みんなお家をもつものよ、
夜はお家でねるものよ。
けれど、魚はなにがある、
穴をほる手も持たないし、
丈夫な殻も持たないし、
人もお小舍をたてもせぬ。
お家をもたぬお魚は、
潮の鳴る夜も、凍る夜も、
夜つぴて泳いでゐるのだろ。
(お家のないお魚:金子みすゞ)
『金子みすゞ全集』
(JULA出版局)より
いつもお魚の味方のみすゞさんは、
お魚の家のないのをかわいそうに思っています。
家というものは生きているものの基本ですから……。
それなのにお魚はお家を持たない、
誰がこんなことを思う人がいるでしょうか。
鈴木 澪
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