今日もみすゞさんのページに

来ていただきありがとうございました。

猫の手舎では一年365日、

毎日みすゞさんの詩と鈴木澪のイラストを

紹介させていただいています。

 

 

「きょうのみすゞさんの詩は・・・」

 

「お祖母様と浄瑠璃」です。

 

  縫ひものしながらお祖母さまは、

 

いつもおはなし、きかせました。

 

おつる、千松、中將姫……、

 

みんなかなしい話しばかり。

 

お話しながらお祖母さまは、

 

ときどき浄瑠璃をきかせました。

 

おもひ出しも胸がいたむ、

 

それはかなしい調子でした。

 

中將姫をおもふせいか、

 

そのことはみんなみんな、

 

雪の夜のやうにおもはれます。

 

それももう遠いむかし、

 

うたの言葉はわすれました。

 

ただ、せつない、ひびきばかり、

 

ああ、いまも、水のやうに、

 

かなしくしづかに泌みてきます。

 

さらさらと、さらさらと、

 

ふる里の音さへも……。

 

(お祖母樣と浄瑠璃:金子みすゞ) 

 

『金子みすゞ全集』

(JULA出版局)より

 

 

幼いころ聞いたお話っていつまでも覚えているものです。

 

大人になっても……。

 

人の思い出は、その多くは楽しいことより、

 

悲しさ寂しさに包まれています。

 

人間は本来さみしい生き物なのですから。

 

鈴木 澪

  

※大西 進先生は、みすゞさんの詩のすべてに作曲された音楽家です。

私、鈴木 澪は先生にみすゞさんの歌を歌うコーラス部に参加し、大西先生に指導をうけました。

そして、先生の影響でみすゞさんの詩にイラストを描くことを始めました。

 

みすゞさんの詩画集も作っています。

金子みすゞ詩画集(鈴木澪イラスト)

 おのおの16点の詩とイラストを掲載しています。

 第1集「みんなちがってみんないい」

 第2集「見えぬものでもあるんだよ」

 第3集「みんなを好きに」

 

また明日もぜひ遊びに来てくださいね!

お待ちしています。猫の手舎