今日もみすゞさんのページに

来ていただきありがとうございました。

猫の手舎では一年365日、

毎日みすゞさんの詩と鈴木澪のイラストを

紹介させていただいています。

 

 

「きょうのみすゞさんの詩は・・・」

 

「墓たち」です。

 

 墓場のうらに、

 

垣根ができる。

 

墓たちは

 

これからは、

 

海がみえなくなるんだよ。

 

こどもの、こどもが、乘つてゐる、

 

舟の出るのも、かへるのも。

 

海辺のみちに、

 

垣根ができる。

 

僕たちは

 

これからは、

 

墓がみえなくなるんだよ。

 

いつもひいきに、見て通る、

 

いちばん小さい、丸いのも。

 

(墓たち:金子みすゞ)

 

『金子みすゞ全集』

(JULA出版局)より

 

垣根ができると海が見えなくなってしまうと、

 

墓の気持ちを思いやるみすゞさん。

 

そして、子どもたちは反対に、

 

かわいいお気に入りの小さなお墓が、

 

今までのようには見えなくなってしまう。

 

なんとなく、切ない感じの詩です。

 

鈴木 澪

 

 

ぼくたち、と男の子の側から書いた数少ない詩。

 

いつもの私ではなく、男の子のでてくる詩。

 

垣根の内と外。いままで

 

ひとつの世界だったのに、

 

かきねをはさんで別々の世界に。

 

でも思いは垣根をこえて。

 

大西 進

  

※大西 進先生は、みすゞさんの詩のすべてに作曲された音楽家です。

私、鈴木 澪は先生にみすゞさんの歌を歌うコーラス部に参加し、大西先生に指導をうけました。

そして、先生の影響でみすゞさんの詩にイラストを描くことを始めました。

 

みすゞさんの詩画集も作っています。

金子みすゞ詩画集(鈴木澪イラスト)

 おのおの16点の詩とイラストを掲載しています。

 第1集「みんなちがってみんないい」

 第2集「見えぬものでもあるんだよ」

 第3集「みんなを好きに」

 

また明日もぜひ遊びに来てくださいね!

お待ちしています。猫の手舎